
アメリカのP2P(peer-to-peer)融資の最大手、レンディングクラブの創設者である
ルノー・ラプランシェ最高経営責任者(CEO)が、5月9日、辞任した。
社内の内部調査を受けてのもの。
不適切な貸出債権の売却
内部調査では、貸出債権の売却において
意図的な「顧客要望違反」と「融資日の操作」があったという。
ある機関投資家向けの貸出債権の売却において、
中身を、顧客要望に反した信用力の低い債権にしていたという。
その額、日本円換算で約22億円。
また、約3億円分については融資の申し込み日を意図的に変更していたという。
同社CEOの関与は不透明ながら、調査への消極的な態度から
取締役会が、CEO辞任へと踏み切った。
2006年に創業、2014年末にNYで上場
同社は2006年に設立、順調に融資額を伸ばし、
2012年にはモルガン・スタンレーのジョン・マック氏をCEOに迎えた。
2014年12月には念願のニューヨーク証券取引所(NYSE)への上場を果たした。
IPO後の初値は24.75ドルと公開価格比65%の高値をつけた。
上場の主幹事証券会社は、モルガン・スタンレー、ゴールドマンサックス、
クレディ・スイス、シティ・グループ。
(単位:億ドル)
同社は借り手のクレジットヒストリーから、
そのランクを35段階に分け融資額を決定する仕組み。
投資家にはリターンが返るため投資商品でもあり、
「ソーシャルレンディング」と呼ばれ、
低所得者層や個人事業主などへの融資を変革すると期待されている。
多くのアナリストが、当社への致命的な打撃にはならないと見ているが
信用が命の金融業界で、今後の動向が見守られる。
◼︎レンディングクラブ ニュースリリース
http://ir.lendingclub.com/file.aspx?IID=4213397&FID=34233669