
いまやテレビや雑誌でも多く紹介されるようになったFintech。
そのさきがけはPayPalをはじめとするオンライン決済サービスであり、今もFintechの主力分野といえるだろう。
そんな中、毎日約1,000ユーザーを伸ばし急成長を続けているモバイル決済サービスがある。
それがPaidyだ。
Paidy(コンビニ翌月払い)
Paidyはオンラインショップでお買い物をする際、最も簡単に利用できる決済サービスです。事前登録やクレジットカード情報の入力をしなくても利用することができ、お近くのコンビニで支払うことで決済が完了します。ご利用状況に応じて分割払いも可能な決済サービスです。
今回、Paidyを運営する株式会社エクスチェンジコーポレーション代表のラッセル氏に話を伺った。
クレジットカードいらずのかんたん決済
Paidyはオンラインの支払いクレジットサービスだ。
例えばECサイトで商品を購入しようとする際、クレジットカードの申込や、既に持っている場合でもカード番号の入力が煩わしく感じることがある。
Paidyはこの煩わしさを解消する為、携帯電話番号とメールアドレスだけで決済をすることができる。
Paidyの仕組みはこうだ。
まずユーザーは提携サイトの決済画面でPaidyを選択し、携帯電話番号を入力する。
その後に携帯電話のショートメッセージにより本人確認を行い、審査が行われる。
独自のビッグデータ解析により、審査は数秒以内で終わり、クレジットカード無しで取引が終了してしまう。
当月分の取引はコンビニや銀行振込で翌月支払うが、分割での支払いも可能だ。
実際に試してみたが、クレジットカードを取り出しカード番号を入力する手間が省けた為、非常にスピーディに取引を完了することができた。
60%増の脅威のリピート率
Paidyの特徴の1つが、決済のリピート率だ。
Paidy利用者のリピート率は、他の決済方法の利用者と比べて60%高いという成果を出している加盟店ものだという。
Paidyでは提携するサイトでの買い物が複数あっても、毎月1回の支払いにまとめることができます。この"おまとめ支払い"が便利な為、利用者は何回もPaidyを利用してくれます。(ラッセル氏)
EC-CUBEなどのASPや、SHOPLIST.comなどのECサービス、CAMPFIREなどのクラウドファンディングサービスなど、利用できるサイトは大きく広がっている。
※提携サービスの事例
SHOPLIST.com、MERY、DEAN & DELUCA、HACCI、MILLEPPORTE、レンズアップル、fifth、Luvlit、FULLMARKS、CAMPFIRE、Canvath、KAORI MARCHE、Kibiadngo、XBORDER、FAAVO、DreamRaising
日本のオンラインショップ市場には大きな可能性がある
代表のラッセル氏は、メリルリンチ証券、ゴールドマンサックス証券など金融系企業の出身。
カナダやシンガポールなど様々な国の状況を見る中で、日本には金融系スタートアップの可能性があると感じたという。
日本は金融市場としては大きいものの、その中でもベンチャーが少ない。これはチャンスだと思ったことがきっかけの1つです。(ラッセル氏)
ラッセル氏はエクスチェンジコーポレーションを2008年に設立、翌年にソーシャルレンディングサービスのAQUSHをローンチし、その後にモバイル決済の可能性を感じ、2014年7月にPaidyをローンチした。
利用シーンを増やすことが価値になる
今後は利用シーンを増やすことがユーザーにとっても、提携サイトにとっても有益だとラッセル氏は話す。
ECサイトやクラウドファンディングなど提携先を多く増やすこと、またコンビニ支払い以外の金融商品も検討しているという。
その中には例えば銀行口座からの自動引き落としなどもあるとのことで、これが実現できれば支払いも非常に簡素化することができる。
脅威の成長率を見せるPaidy。
"クレジットカードいらずの決済"がどこまで広まるのか、FintechMediaでも注目していきたい。