
与信管理とは
与信とは、文字通り「信用を与えること」です。
金融では、「お金を借りる時、返してくれる度合い=信用度を図ること」を与信管理と呼びます。
例えば、取引先に100万円を貸していたとして、
「とても信頼できる人なので、1ヶ月後に100万円返してくれる」と判断したとします。
(利子についてはここでは無視します)
約束通り返してもらえれば良いのですが、返してもらえなかった場合、
「債務不履行」「焦付き」などと呼ばれ、貸し手側は資金不足になる可能性があります。
与信管理は主に以下の3つの観点から行われます。
(1)定量分析
貸借対照表、損益決算書など、決算書・財務諸表からの財務健全性分析
(2)定性分析
経営者の資質、能力、経歴や、業界でのポジションなど
(3)業態分析
ビジネスモデル、収益モデルなど
また、S&P(Standard & Poors)や、Moody'sなど第三者格付機関による格付なども参照されます。
Fintechにおける与信管理
従来、与信管理は融資において必要となるため、
銀行における法人向け融資や、消費者金融による個人向けスポットローン、
住宅ローンなどで主に行われてきました。
その際は各社の財務分析、帝国データバンクなど外部データベースの利用などのほか、
自社での融資および資金返済状況データをもとに、
与信管理(クレジットスコアリング)モデルを構築していました。
個人や企業ベースでの借入履歴などのほか個人情報が必要となるため、
この領域には大手金融機関以外参入が難しいと思われていましたが、
ITバブル後、多くのSNSや家計簿サービスが使用されるようになり、
個人の財務に関するデータがビッグデータとして活用できるようになってきました。
一見、自分の個人データが利用されるのは怖いと思ってしまうかもしれませんが、
銀行などの独自の与信管理モデルに沿っていないと融資が受けられない人々でも
融資が受けられる可能性が出てきました。
例えば、個人事業主として経歴の浅い人や、転職したての人などです。
個人の信用力を図る際は、企業に継続して勤務し収入を得ていることなどが目安となることがあります。
収入があるのに借入が難しい、そんな人たちを救うかもしれないサービスとして注目されています。
与信管理系サービス
米:Credit karma
自分のカードの信用力を査定できるサービス。
米:Lenddo
世界初のSNS上データを利用した信用審査サービス。
インドやシンガポールで展開しています。
<個人向け与信>
家計簿サービスについては「PFM」のページをご覧下さい。
<投融資>
証券化などを利用した融資と投資の結びつけについては
「ソーシャルレンディング」のページをご覧ください。